愛子

小学校の近所に住んでいた愛子は知恵遅れで、垢に汚れた顔、ぼさぼさのおかっぱ頭にぼろの着物をまとい、いつも鼻の下に親指の先をあてがってニヤニヤしながら辺りをふらついていた。



白い歯が印象的で、目もひときわ赤茶けた顔の中で輝いていた。



年の頃は17~18才位?



小学校2年生だったぼくは仲間と一緒に、愛子が言うがままになるのをを面白がり、愛子の周りをはやしたてながら下校したものだ。



仲間の特に悪がきだったのが、動作が鈍い愛子に「胸を開く」ようゼスチャーで示すと。ぼろの着物の胸元を開いて見せた。二つの綺麗なおっぱいが現れた。みんなでそれをはやし立てると、愛子は気に入られていると思ったのか、いつまでも胸を開いてニヤニヤしている。



着物の裾を上げる様ゼスチャーで示すと、両手で裾を持ち上げた。下着を穿いていない下半身が露わになり、黒々とした茂みが見えた。



母親以外の女性の裸を知らなかったぼく等は、そんないたずらで大人の体を知り始めていた。

愛子は毎日現れたわけではないが、見つけると必ずといっていいほど取り巻いたものだった。



少し学年があがり、愛子の近所に住んでいた従弟から愛子の生い立ちを聞かされた。



「愛子は子供の頃はものすごく綺麗で頭のいい子でなあ・・・」



従弟は言う



「小学校2年の時に日本脳炎になって、それであんな風になっちゃったけど、親はたまらんなあ・・・」



それを聞いてから、ぼくは愛子をからかうのをやめた。愛子を見かける機会はずっと減っていたが、小学校を卒業する頃にも、相変わらずニヤニヤしている愛子を見かけた記憶がある。



中学に入り、いくつかの校区で統合されて新築された校舎に移った。小学校とは全く別な方向となり、自転車で通った。



ある日、従弟から愛子が死んだのを聞いた。

その時は何で死んだか聞いたが忘れてしまった。

今でもニヤニヤと笑う愛子の顔が忘れられない・・・




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# by shio622 | 2009-05-17 20:00

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# by shio622 | 2009-05-16 06:52 | Link